主演男優賞受賞のキリアン・マーフィー氏がベストドレッサー!
着こなしに魅力を感じるワケ
さまざまなセレブリティが個性溢れる着こなしを披露していた今回のアカデミー賞授賞式ですが、中でも私が特に素敵だと感じたのは、キリアン・マーフィー氏のスタイルです。
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伝統あるタキシードをクラッシックなサイズで着こなし、安定感はピカイチ。シャツはフロントが比翼仕立てでボタンが隠れ、胸にプリーツが入ったフォーマル専用、ボウタイは手結びで絶妙な不均衡がこなれ感を生んでいます。
ウエストにはカマーバンドを着けて、王道のタキシードのスタイリングが出来上がり。なんだか見ていてホッとする、万人受けするタキシードのスタイリングです。
冒頭にも書いたように、フォーマルをビシッと決める良さは、普段着とのメリハリにありますので、普段のキリアン氏の着こなしが気になるところです。
そこで2月に行われた、オスカーにノミネートされた『オッペンハイマー』俳優陣とのオスカーランチョンでの画像を見てみましょう。
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ネクタイなしでカジュアルですが、今人気のブラウンスーツセットアップで、サイズ感もトレンド寄せのゆったりめです。特にパンツは、3タックのインタック。
非常に趣ある落ち着いたスタイリングですが、随所におしゃれへのこだわりを感じさせ、かつ落ち着いた雰囲気のキリアン氏にぴったりのスタイリングです。
私がこのキリアン・マーフィー氏の着こなしで最も素敵だなと思ったのが、この普段着のテイストと、タキシードの着こなしに一貫性があり、地味ともいえるメンズファッションの中に、ご本人の個性を感じるところです。
浮かれて盛りがちなパーティーでも基本に忠実な装いで、きちょうめんで職人気質の俳優さんなのではと拝察いたします。
流行もスパイスにはなりますが、ファッションの究極の楽しみは、周囲の人や環境へ敬意を払う=ドレスプロトコルを重んじ、その中で自分らしさを表現できるところだと思います。
人は見た目で判断してはいけない。たかがファッションとはいえ、随所に人となりが表れる、奥深い自己表現なのです。