30年前、宇宙マニアを自認するチャールズ・チェイファー氏はある奇抜な思いつきを改めて考えた。人はどこかに埋葬されなければならない。それなら宇宙はどうだろう、と。人間の――ときにはペットの――遺骨やDNAを宇宙に打ち上げるテキサス州ヒューストンの企業セレスティスは、こうして始まった。「海での散骨や、私たちが行うさまざまな儀式や追悼行事と少しも変わらない」。セレスティスの共同創業者で最高経営責任者(CEO)のチェイファー氏は話す。ただ同社のサービスは、SFドラマ「スタートレック」の愛好家や、NASA(米航空宇宙局)で働いていた人などには魅力的だという。1997年の初打ち上げ以降、セレスティスは2000人を超える故人の火葬された遺骨を地球軌道や月へ、最近では深宇宙にまで送り込んでいる。
月面葬めぐり米で論争、ナバホ族は反対
サービス提供企業は宇宙に縁のあった故人の役に立っていると言うが、ナバホ族は月を神聖なものと考えている
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