世界で12年近く続いたマイナス金利の実験が幕引きを迎えた。中央銀行の中では日銀が最後までマイナス金利を続けていたが、主要政策金利を少なくともゼロに戻すことを決めた。世界の中銀が過去10年超の間に実施した異例の施策の中でも、マイナス金利は特に議論を巻き起こした。マイナス金利になると銀行に預金すれば支払いを受け取るのではなく支払いを行うことになり、導入には効果の不確実性と潜在的なリスクを伴った。マイナス金利の実験で明らかになったのは、それ自体では不況脱出や、中銀のインフレ目標2%への回帰には十分ではなかったことだ。そうした面で影響が大きかったのは新型コロナウイルス流行やウクライナでの戦争だった。
世界的マイナス金利時代に幕 日銀利上げで
マイナス金利は万能薬ではなかったが、効果をある程度評価する向きもある
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