2024年、経済が大きく動いている。日経平均価格が史上最高値を更新し、物価も上昇傾向。このまま貯金しているだけでは資産は目減りしてしまう。そんな中、今年1月から新NISAがスタートし、「貯蓄から投資へ」を本気で考える時が来たようだ。そこで投資初心者の悩める50代のビジネスパーソンが、これまで2万6000件以上の家計相談を受けてきた実績を持つ家計再生コンサルタントの横山光昭氏に、「超王道」の投資術について質問した。
先生、なぜ今、国を挙げて投資を呼び掛けているのですか?
――私は今55歳で、これまで現金での貯蓄はしてきましたが投資というものをしてきませんでした。しかし今年1月から新NISAがスタートするなど、国も投資を勧めているように感じます。
これまで私は、仕事で家計相談に来た人のライフプラン表を数え切れないほど作成してきました。その結果見えてきたのは、公的年金だけで老後生活を賄える人はそれほど多くはない、という残酷な事実です。これを解決するには、老後の資金不足を見越して、投資によって計画的にお金を増やしていくことが非常に重要となります。昨今、国が投資を積極的に勧めているのには、こうした背景があるわけです。
――それでも現金で持っておく方が安全に感じます。
日本では「投資をするしかない」と分かってはいても、なかなか一歩を踏み出せない人もいれば、一歩踏み出したはいいが、知識が足りず痛い目に遭い、貯金するにとどまっている人も多いかと思います。
しかし、インフレで物価が上昇すると、同じお金で買えるモノの量が減ります。これは、実質的にお金の価値が下がるということ。つまり、今後もインフレの波が続いた場合には、預貯金として保有している資産の価値もいずれ目減りしてしまう恐れがあるわけです。
こうしたインフレ時のリスクに対処するためにも、投資を過度に怖がるのではなく、きちんとした知識を基に投資を行い、自分で老後資金をつくっていくことが何よりも大切なのです。
次のページからは、50代、60代の投資初心者が、どうすればリスクを小さく老後資金を形成できるのか、超王道の投資術を解説していく。