新NISA元年でもあえて「定期預金」に預けるメリット、銀行別金利を一挙紹介!預け入れの期間が長い方が金利が高くなるのが、定期預金の原則だが… (写真はイメージです)Photo:PIXTA

2024年は新しいNISA元年、投資への金融資金シフトが注目されている。果たして定期預金はもう役目を終えたのか。それとも金利上昇によって、もう一度魅力を取り戻すのか。気になる定期預金の現状と活用法を考えてみたい。(消費経済ジャーナリスト 松崎のり子)

「ゼロ金利」だった
メガバンクの定期金利が100倍に

 2024年は「金利がある年」「金利がある時代」になりそうだ。春の賃金改定の水準次第で、いよいよ日銀がマイナス金利解除へ動くのではとの臆測が飛び交い、1月の金融政策決定会合でも「マイナス金利解除を含めた政策修正の要件は満たされつつある」との声が上がったという。それを先取りするように、定期預金の金利を引き上げる動きが銀行で活発になってきた。

 銀行預金といえば貯蓄の基盤となる存在だったはずが、預金金利がゼロを切って以降は「引き出せば手数料分マイナスになる元本割れ商品」とやゆされるほど。長期の資産形成の担い手だったはずの定期預金ですら、大手メガバンク10年物でも年利0.002%と利息はゼロ円に近かった。誰もが定期預金を顧みなくなったのは当然だろう。

 しかし、潮目は変わるかもしれない。昨年11月には三菱UFJ銀行が10年物の定期預金金利を0.2%に引き上げた。0.002%からの100倍アップである。三井住友銀行がすぐに続き、みずほ銀行も同じく引き上げに動いた。0.2%がニュースになるのもどうかと思うが、それでも長らくゴマ粒のようだった利息が、小豆程度の大きさにまで見えるようになったのは進化だろう。

 年が改まり、いよいよ金利上昇が実現するかという現在、メガバンクや高金利を打ち出すネット銀行の定期預金がどんな現状なのか、整理してみたい。

 まずはメガバンク。三菱UFJ銀、三井住友銀の定期預金金利は1年物~4年までは0.002%で変化がない。動きが出るのは5年物からで0.07%にアップする。そして7年物が0.1%、10年物で0.2%となった。

 もう少しサービスがいいのは、みずほ銀行。1年物こそ0.002%だが、3年から0.025%に上がる。4年物で0.05%、5年で0.075%、6年物0.1%、7年物0.125%と、預入期間1年ごとに金利が微増する。10年物は他行と同じ0.2%にそろうが、他行と横並びではないことがわかる。とはいえ、メガバンクに関しては5年以上預ける定期でないと、金利が上がった実感は少ないかもしれない。