役職定年後も、周囲から重宝される人がいる。一方で、嫌われて、相手にされなくなってしまう人もいる。重宝されるか、嫌われるかが1分で分かるチェックリストがある。(モチベーションファクター代表取締役 山口 博)
役職定年後も重宝される人と嫌われる人
何が違うか
一定年齢に到達すると役職が解かれ、一般社員として就業することになる、いわゆる「役職定年」の制度を導入している企業は少なくない。近年、これにまつわる悩みの声を数多く耳にする。
役職定年は、役職が外れるだけではない。役職者のみに付与されていた、決裁、評価、給与査定、人事などに関わる権限も剥奪される。
これらの権限を有しているからこそ発揮できていた、リーダーシップ発揮力はなくなる。役職に頼らず、いわば素手で周囲を巻き込なければならない。
その結果、リーダーとして組織の中心でバリバリ働いていた人が、役職定年を迎えた途端に、「情報が共有されない」「助言しても誰も何も言うことを聞かない」「そもそも仕事がない」という事態が起こる。
周囲のメンバーから「レポートラインが複雑になった」「相談してよいのかどうか分からない」「助言をもらったが、(役職を外れているので)従おうか、どうしようか……」などと思われているにもかかわらず、助言を続けると、「あれこれうるさい」「過去の経験談ばかり聞かされる」「話が長い」と嫌われて、相手にされなくなってしまう。
役職定年を迎える人は、いずれも長年の経験を積み重ねてきた人材だ。それも役職者に登用されるほどに、優れた能力の持ち主であるはずだ。
にもかかわらず、役職定年によって存分に能力を発揮できない事態に陥るとなれば、組織にとって損失だ。
一方で、役職定年を迎えても、重宝されて一定の役割を担い、組織に貢献できている人もいる。
重宝される人と相手にされなくなる人との違いは何なのだろうか。役職定年後に重宝されるか嫌われるかが1分で分かるチェックリストがある。