「初対面の会話」の成功の秘訣は
「うまく質問する」ことにあり

 あなたが緊張するのは、どんなシーンですか?

 いろいろなアンケート結果がありますが、緊張する場面の第1位は、「人前でのスピーチ」、そして、堂々の2位が「初対面での会話」です。

 初対面の方だと情報も少ないので、「何を話そう… …」と考えてしまい、緊張してうまく話せないのも当然です。

 そんなときこそ、「うまく話す」から「うまく質問する」に発想を転換してみてください。自分がペラペラ話すよりも、相手に質問する方が確実に会話が盛り上がります。

 ただ、いくら質問が大事だからといっても「お仕事は?」「ご出身は?」「趣味は?」と、自分が聞きたいことを質問し続けると、警察の取り調べのようになってしまいます。

「自分が聞きたいことを質問する」、これは二流。

 では、一流は?

 まず「相手が話しやすいこと」を質問します。

「話しやすいこと」とは、お互いの半径1メートル以内にあるような身近な情報です。

 たとえば、何かの会合に参加したときは、

「こちらの会合にはよく来られるんですか?」
「この会場は初めてですか?」
「お知り合いの方と一緒に来られたんですか?」

 などと質問をする。

 この会のことや会場に関することは、お互いの目の前にある情報であり、初対面でも話しやすい共通テーマです。

 名刺を交換したら、

「会社は渋谷なんですね。渋谷はもう長いんですか?」
「素敵な名字ですね! ご出身はどちらですか?」

 と、名刺という目の前にある情報を通じた会話をするのもおすすめです。

 お互いの身近にある情報は、質問する方も質問しやすく、答える方も答えやすいのです。

 以前、初対面の方の社長室にお招きいただいたことがありました。

 部屋に入った瞬間、飾ってあった絵画があまりにもゴージャスだったので、「社長、すごい絵画ですね!海外の絵ですか?」と質問しました。

 すると、社長は10分以上も絵画のことを丁寧に説明してくれ、冒頭から大いに会話が盛り上がりました。その日はほとんど営業はしていませんが、しっかり契約をいただいて帰りました。

 まずは相手が話しやすい質問から。それは目の前にある身近な情報に触れることです。そして徐々に話題を発展させて、遠心力を使って会話を広げていけばいいのです。

 目の前の情報をよく見つめてみると、質問できる情報がたくさんあることに気づきます。