人に質問するときは
最初に「種別」がマスト
「前回の会議の件なんですけど、A社とB社に問い合わせているのですが… …。A社だと少し予算が上回るのですが、サポートを無償でつけてくれるということで、B社はサポートはつかないんですがいつでも解約できるということで… …」
「結局、何が言いたいんだ… …」と思った経験はありませんか。
仕事で質問するとき、いきなり話し出すのは三流。聞き手からすると何の話なのかよくわからないからです。
最初に質問の内容について細かく説明するのもいいですが、説明が長いと「いったい何の話?」と思われてしまいます。
質問される人がまず一番に知りたいことがあります。
それは、質問の「種別」です。
少しイメージしてみてください。
ここは老舗の洋菓子会社です。あなたはこれから新商品の開発で洋菓子を試食します。
そのとき、(1)「とりあえず試食してみてください」(2)「試食したあとに、ひとこと感想を述べてください」(3)「これとまったく別の味のものを提案してください」
試食前になんと言われるかによって、食べるときのスタンスが変わると思いませんか?
質問も同じことです。
最初に、「○○の件で、共有してもよろしいでしょうか?」と言われれば、「とりあえず聞けばいいのね」という態勢で聞きます。
「進捗を報告します」と言われれば、どこかに問題がないかを確認しながら聞きます。
「相談してもよろしいでしょうか?」と言われれば、「何か答えねば」と相談内容を吟味しながら聞きます。
「アドバイスいただいてもよろしいでしょうか?」と言われれば、的確なアドバイスを考えながら聞きます。
「決裁をいただいてもよろしいでしょうか?」と言われれば、かなり真剣に聞くでしょう。決裁ではお金が絡むこともあり、責任問題に発展することが多いからです。

桐生 稔 著
つまり、質問の種別によって聞く姿勢が変わります。だから、質問される方は先に種別を知りたいのです。
質問の種別を伝えることは、今から話そうとすることのネタばらし。
いきなり話し出すのではなく、質問内容を事細かに説明するのでもなく、まずは、「共有」「報告」「相談」「アドバイス」「決裁」など質問の種別を明かすこと。
それを知ってこそ、相手は答える準備ができるのです。
相手がどういう態勢で聞けばいいかわかるように質問するのが一流です。
優秀な人は、いつも相手の頭の中から発想するのです。