少年漫画には、リーダーに必要な資質が全て描かれている。年代ごとに流行った漫画を読み解くことで、各世代の意識下にあるリーダー像を理解しマネジメントに活かして成果を出すことができるという。漫画『鬼滅の刃』からZ世代の求めるリーダー像を考える。本稿は、保手濱彰人『武器としての漫画思考』(PHP研究所)の一部を抜粋・編集したものです。
少年漫画に描かれている
リーダーに必要な資質とは
リーダーシップを学ぶには漫画がうってつけです。なかでも少年漫画には、リーダーに必要な資質が全て描かれていると言っても過言ではありません。
また、年代ごとに流行った少年漫画を読み解くことで、あなたの組織の置かれた状況や意識段階に必要とされるリーダーシップのかたちを身につけることができます。具体的にイメージできないという人も、本稿で紹介する理論を理解し、漫画という「教科書」で復習すれば、現代のリーダーに必要な能力はおのずと備わっていくものと断言します。実際に私がそれらをマネジメントに活かして、成果を出しているのですから。
さて、リーダーシップにおける究極の姿は、サーバント・リーダーシップだと筆者は断言します。「自分以外の誰かに、リーダーシップを委任すること」です。つまり、あなたが現場でリーダーシップを発揮する必要はありません。
言い換えれば、あなたは「リーダーを後ろから支える真のリーダー」になるということ。後述する『鬼滅の刃』に登場する、産屋敷耀哉は典型例であり、個性の強い「柱」たちを支えるお館様さまとしての役割を全とうしています。
『キングダム』においても、圧倒的な個性の持ち主である将軍たちを、後ろから従える大王・嬴政の姿は「真のリーダー」そのものですね。
組織として目指すべき究極の形
サーバント・リーダーシップとは
かつて年商約30億円の会社を買収したことが、私にとって大きな転換点でした。この事例を話すと、「さぞや大変だったことでしょう、買収の過程や、PMI(M&A後の統合プロセス)でも沢山の苦労があったのでは?」と必ず聞かれます。
しかし実際は、私自身はほとんど苦労していません。なぜなら、「代わりにやってくれる人を、リーダーとしてアサイン(配置)していた」からです。
現状と目標を俯瞰して戦略を立て、そのために必要な「リーダーシップの特性」を理解し、それに最も適したプロジェクトリーダーをアサインする。
それが最も目標を達成しやすく、組織として目指すべき究極の形であり、そこではリーダーに求められる資質が「サーバント・リーダーシップ」なのです。