毎日、上司に挨拶をしていますか。朝、「おはようございます」と言ってそれっきりになっていないですか。だとしたら、とてももったいないです。

 朝の挨拶の後も、エレベーターで乗り合わせたり廊下ですれ違ったりしたら「お疲れさまです」と声をかけていますか。かけているだけなら、それもやはりもったいないです。

 リアルの世界の挨拶は、SNSで言えば「いいね!」です。アクションするのにそれほどのエネルギーは必要ありません。してもしなくても労力はさほど変わりません。

 しかし、された側の印象は180度異なります。まったく「いいね!」してくれない人のことより、してくれる人のほうを好意的に捉えます。

 挨拶は好印象を与えるものであり、コミュニケーションのきっかけでもあるので、それを活かして、「今日はこの仕事をします」とか「いま、何の案件をしています」とか、現状報告をしれっと続けてみてください。それだけで、本当のあなたへの上司の理解は深まります。

 何をしているのかわからない部下から、何をしているのかわかる部下にランクアップするのです。

書影『嫌な仕事のうまい断り方』(日経BP)『嫌な仕事のうまい断り方』(日経BP)
山本大平 著

 たったこれだけのことで、特別な報連相などしなくても、上司はあなたの状況を把握できます。他の部下のことはわからなくても、あなたの仕事量については、わかったような気がしてきます。この「わかったような」がポイントです。

 すると、わざわざあなたの仕事を増やそうとは思わないでしょう。

 挨拶といえば、Zoomなどのオンライン会議が始まる前の時間を、どう使っていますか。全員が揃うまで、手持ち無沙汰で黙りこくってなどいないでしょうか。それもまた、もったいないです。せっかくなので、素で、雑談を振ってみてはどうでしょうか。雑談にどんなテーマを選ぶかは、素のあなた次第です。