普通列車は1日14往復で復旧も
観光列車を運行できないワケ

観光列車「のと里山里海号」観光列車「のと里山里海号」 Photo:PIXTA

 のと鉄道は全線復旧を間近に控え、4月1日に新ダイヤを発表した。普通列車は朝夕を中心に1日14往復で運行するが、観光列車「のと里山里海号」は当面、運行再開の予定がないという。

 震災発生後、口能登(能登半島南部)や中能登の一部は徐々に復興が見えてきた。しかし奥能登はいまだに道路が完全復旧しておらず、観光周遊ができる状況にない。かつ、観光列車の目玉であったこだわりのスイーツ(七尾市出身の世界的パティシエ・辻口博啓さんプロデュース)や、寿司御膳を提供する名店「信寿し」(休業中)から商品の供給を受けることができない点も理由の1つとのことだ。

 奥能登の輪島市で育った中田社長も、現状にかなり懸念を抱いている。しばらくは、のと里山里海号を運休し、岩手県の三陸鉄道で運行しているような「震災学習列車」(震災の経験を学びながら車窓を楽しめる列車)としての運行を考えているという。