のと鉄道「のと里山里海号」(2018年)のと鉄道「のと里山里海号」(2018年)。記事中の写真はすべて筆者撮影

1月1日16時10分、能登半島を震源とする大きな地震が起きた。その後も余震は続き、石川県、新潟県、富山県など北陸地方を中心に、新幹線を含む多くの鉄道路線が運休した。すぐに運転再開した区間もあったが、被害が大きく、再開するには工事が必要な部分もある。地震から7週間がたったが、被害を受けた地域の鉄道網は今、どうなっているのか。国土交通省の資料を参考に、鉄道復旧の様子を見ていこう。(鉄道ライター 杉山淳一)

七尾湾にはイルカがいた

 七尾湾にはイルカが十数頭いた。家族だという。2001年に2頭が確認され、どんどん家族が増えている。

 そんな話を、のと鉄道の観光列車「のと里山里海号」のガイドさんから聞いた。2018年の2月、季節はちょうど今頃の話だ。当時は13頭といわれていた。乗客たちが海側の車窓を注視したけれど、イルカが都合よく現れるはずもない。また来よう。次は見られるかもしれない。そんな思い出がある。

 能登を思うとき、あのイルカの親子はどうなっただろうと思う。2023年に17頭目の赤ちゃんイルカが見つかったと報じられた。しかし今、イルカの消息が伝わってこない。水族館のイルカたちは福井県の水族館に避難したと報じられている。

のと鉄道の観光列車「のと里山里海号」から外の写真を撮る。景勝地で徐行運転しているところ(2018年)のと鉄道の観光列車「のと里山里海号」から外の写真を撮る。景勝地で徐行運転しているところ(2018年)
七尾湾に、イルカは見えなかった(2018年)七尾湾に、イルカは見えなかった(2018年)