インドの国会で議員が地元選挙区への空港誘致を訴え始めたときだった。叫び声が上がり、黄色い煙が議場に漂い始めた。1人の男が議場で発煙筒を発火させ、ベンチからベンチへと飛び移りながら政府への批判を叫んだ。別のデモ参加者は議場の傍聴席にたどり着いた。議事堂の外では、2人のデモ参加者が「独裁を終わらせろ」と大声で繰り返した。インドの首都ニューデリーで昨年12月に発生した抗議デモは国会に一時的な混乱をもたらしたが、インド経済が長年抱えてきた問題にも光を当てた。教育水準の高い若者が職を見つけることが難しい、という問題だ。抗議デモに参加したのはインドでは教育水準が高い層に属し、2人は大卒、1人は高卒だった。だが、高収入の仕事に就くことができずにいた。インドのメディアによると、デモ参加のもう1人も高卒で、同じような状況に置かれていた。