■Case3「同じようなミスを繰り返すな!」

仕事に多少のミスはつきもの。特に新人時代は、勝手がわからずミスを連発してしまうこともあるでしょう。
ただ、簡単なミスを繰り返してしまうのは、上司としては見過ごすことはできません。ちゃんと失敗を振り返り、同じようなミスを繰り返さないよう注意してほしいとの気持ちから、「同じようなミスを繰り返すな!」と言ってしまいたくもなるでしょう。
しかし、今どきの新人は、こういう指摘もパワハラと受け取ってしまいがちです。「ウチの上司、最悪なんだけど!」とSNSでつぶやかれてしまうかもしれません。

こんな時はどうすればいいのか。お勧めしたいのはこのような伝え方です。

◎「佐藤さんはせっかく力があるのに、簡単なミスで評価を下げてしまうのはもったいないぞ」

これもCase2と同様、「認められたい欲」「嫌いなこと回避」という2つの伝え方の技術を使っています。
「せっかく力があるのに」と認められると、その期待に応えたいという心理が働きます。そして、「簡単なミスで評価が下がる」のは新人にとっても嫌なこと。仕事で評価されたいのに、ちょっとしたミスで評価を下げてしまうのはもったいないなと自分から気づくことができます。

ポイントは、自分から「そうしたほうがいいな」と思ってもらうこと。上からガミガミ厳しく言うよりも、本人が納得できる伝え方をすれば、自然にいい方向に動いてもらえるようになるのです。

■Case4「積極的に意見を出して!」

「能動的に意見を出せるようになってほしい」との思いから、会議の場で黙りこくっている新人にこのように伝えてしまう人は多いと思います。今後の成長を考えてのひと言なのでしょうが、その思いが正しく伝わるとは限りません。
新人としては、「状況も知らないし、仕事もまだわからないことだらけ。意見なんて言えないよ」と思うでしょう。人によっては、ものすごくストレスを感じてしまうかもしれません。

新人にも積極的に意見を出してもらうには、このような伝え方が有効です。

◎「Z世代の考え方は貴重だから、ぜひ積極的に意見を出してみてほしいんだ。いつもより意見の量を30%増やしてみてほしい」

まず、「Z世代の考え方は貴重」というのは「認められたい欲」を使った伝え方です。こう言われると、「ちょっと前まで学生だった自分の考えが、貴重だと思われているんだ。だったらもっと意見を言ってみよう」と思いやすくなります。Z世代の中には、「自分の意見を言って否定されるのが怖い」という人も少なくないので、このような伝え方をされれば臆せず意見を言えるようになるでしょう。

そして、「30%」と具体的な数字を上げるのは、「ナンバー法」という伝え方の技術です。数字を言葉に入れると、それだけで説得力が増し、強く印象に残ります。別に30%でなくても、20でも40でもいいのですが、具体的な数値で示すことで「もうちょっと多く発言してみよう」と促すことができるでしょう。