これからの上司に必要なのは、Z世代を的確にマネジメントする能力。しかしZ世代への関わり方は意外と難しい!?そこで1万7000人以上のZ世代社員への指導実績を誇る研修講師が、Z世代特有の価値観や彼らを動かすコツを解説!※本稿は、北 宏志『新しい教え方の教科書 Z世代の部下を持ったら読む本』(ぱる出版)の一部を抜粋・編集したものです。
固定観念を捨てないと
若い部下に失望される
教え育てることのスタートラインは、令和だからと言って大きく変化するわけではありません。第一歩はいつでも、関係性づくりから。良い関係性を持ててこそ、次のステップに入れるのです。
ここで皆さん、かつて社会人になりたてだった頃の自分や同僚たちを思い出してみてください。
男性の場合は、ダークカラーのスーツに白いシャツ、ヘアスタイルは黒髪短髪の人がほとんどだったのではないでしょうか。女性の場合、就職活動時には、最近でも良く話題に上るベージュのトレンチコートがお決まりのスタイルでしたね。
私の周りでも「少し明るい色のシャツを着て行ったら、上司から『今日は派手だな、社会人は白シャツだろう』と言われた」なんていう話を耳にすることがよくありました。
では今はどうでしょうか。もちろん最低限のTPOはあるものの、若手社員の服装やヘアスタイルも随分と自由になってきていますね。
これは何も見た目だけの話ではありません。
令和は多様性の時代です。国籍や性別などといった大きな枠組みだけでなく、個人のスタイルや考え方も多様であるのが当たり前という考え方が主流になっています。
社会人だから白シャツといったような固定観念も、この時代には当てはまらなくなってきている、あるいは“この考えは、旧来の固定観念ではないか”と改めて考え直さなくてはならない時代なのです。
多様性と言うと、とても大きな概念のように捉えられてしまうかもしれませんが、分かりやすく言えば、個性。誰もが持つ個性を発揮することが当たり前の世界が来ているということを、我々はしっかりと認識しなくてはいけません。
これは会社においても、同じです。上司が自分の固定観念で、部下である若者たちを締め付けてしまえば、彼らはそんな上司や会社に失望してしまいます。Z世代の若者たちと良好な関係性を構築するためにはまず、彼らの個性を理解、尊重し、認めることが大前提だと、肝に銘じましょう。
「みんなやってきたから」は
Z世代への“NGワード”
個性を重視し、自己実現を目指すZ世代と言うと、“あまり他者のことを気にしない”というイメージを持ちがちです。
しかし私は、彼らは「隠れ負けず嫌い」なのではないかと考えています。他者を気にせず、自分のペースで物事を進めているように見えて、実は我々が思っている以上に、他者と比べられたくない、負けたくないという意識が働いているのが、Z世代の若者たちなのです。