怒りの感情をぶちまけても効果なし
他人に不平や不満をぶつけるのは怒りを抑える効果的な方法ではないようだ。
米バージニア・コモンウェルス大学のSophie Kjaervik氏とBrad Bushman氏による研究で、怒りの要因を吐き出すことで、そのときは気持ちが晴れるかもしれないが、それによって怒りの感情が弱まるわけではなく、それよりも深呼吸やマインドフルネス、瞑想、ヨガなどのストレス低減法の方がはるかに効果的であることが示唆された。この研究の詳細は、「Clinical Psychology Review」4月号に掲載された。
Bushman氏は、「怒りの感情は発散させるべきという定説を打ち壊すことが極めて重要だと思う。怒りの発散は良いアイデアのように思うかもしれないが、カタルシス理論を支持する科学的根拠は一つもない」と話している。カタルシス理論とは、ネガティブな感情やストレスの発散が心理的な安定やストレスの軽減につながるという考え方だ。