中国地方政府の実質的な債務残高の
対GDP比率(2023年)

悪化した中国の地方財政が不動産市場と景気対策の制約に、財政の主役は中央政府へ中国地方政府の実質的な債務残高の対GDP比率(2023年) 出所:中国財務省、国際通貨基金

 中国の地方政府の財政悪化が著しい。実質的な債務残高のGDP比は2018年の59%から23年には80%に急上昇した。資金調達と不動産開発の機能を兼ね備えた投資会社(地方融資平台)への暗黙の保証がGDP比で48%の水準にまで膨らんだことが大きい。

 中国の地方政府は国家財政収入の半分程度の実入りしかない中で、インフラ投資など支出面では約4分の3を担ってきた。そのギャップは中央政府からの財政移転や市場からの借り入れに加え、土地使用権を不動産開発業者へ販売することで埋められてきた。しかしながら、長期化する不動産不況は、こうした自転車操業的な地方財政運営も立ち行かなくしている。