スピーチをする岸田文雄首相Photo:AFP=JIJI

岸田首相の英語スピーチが聴衆の心をつかんだ“勝因”は何だったのでしょうか? 米議会でスタンディング・オベーションが10回以上も起きた演説について、難易度や発音・スピード、内容の展開、目線や仕草も含め分析してみましょう。(トライズ代表 三木雄信)

岸田首相のスピーチ「大ウケ」はなぜ?

 4月8日から14日まで、米国を国賓待遇で公式訪問している岸田文雄首相の英語スピーチが高評価されています。日本時間11日、ホワイトハウスで開かれたバイデン大統領夫妻主催の公式夕食会でのスピーチでは、ジョークを織り交ぜて笑いを誘うと共に、日米の絆を訴えて拍手喝采を受けたそうです。

 夕食会の翌日、総理大臣としては約9年ぶりに米議会の上下両院の合同会議で演説し、ここでも日米の結束を呼びかけつつ、ジョークを繰り出して議場内の笑いを誘ったといいます(以下、時事通信の報道から引用)。

冒頭、聴衆から歓迎の拍手に包まれると、「日本の国会では、これほどすてきな拍手を受けることはまずない」と断言。自民党裏金問題などで厳しい追及を受ける日本の国会との違いをネタにした。
ニューヨークで過ごした小学生時代に「面白かったアニメ」が、原始時代の家族を描いた「フリントストーン」だったと明かした。「今でも懐かしく感じる。ただ(登場人物のせりふ)『ヤバダバドゥー』の意味を日本語訳することはできなかった」と話すと、再び大きな笑いが起きた。

 日本人が英語でスピーチする、どうしても堅苦しくてつまらない印象を与えがちです。しかも、歴代の首相が、ジョークで場を沸かせたと繰り返し報じられた記憶もほとんどありません。

 岸田首相の英語スピーチが聴衆の心をつかんだ“勝因”は何だったのでしょうか? 米議会でスタンディング・オベーションが10回以上も起きた演説について、難易度や発音・スピード、内容の展開、目線や仕草も含め徹底分析してみましょう。