コショウさんが持っているのは「塩」
簡単そうに見えて、かなりややこしい状況です。
正解を導くには、それぞれの発言が誰のものなのかを特定する必要がありそうです。
3つの発言を手がかりに、1人ずつ「もし○○が、△△なら?」と仮定して考えていきましょう。
最初に気づいたのは「シオさん」?
まずは順当に、「最初に気づいた人」から仮定していきます。
問題文の終盤に「最初に気づいた人は砂糖を手に持っていない」とあるため、最初に気づいた人が持っているのは塩か胡椒です。
それがシオさんだった場合を考えてみましょう。
「名前と異なる調味料を持っている」という前提から、シオさんが持っているのは胡椒のはず。
続いて、次に発言している「塩を持っている人」の正体も考えてみます。
塩を持っているということは、サトウさんかコショウさんです。
ですがその直後にサトウさんが発言しているため、2番目に発言した「塩を持っている人」はコショウさんのはずです。
ここで問題が起こります。
この場合、最後に残ったサトウさんが砂糖を持っていることになってしまいます。
前提と矛盾してしまうため、この組み合わせはありえません。
最初に気づいたのは「コショウさん」?
では、「最初に気づいた人」がコショウさんだった場合を考えましょう。
2番目に発言している人が「塩を手に持っている人」であるため、最初に発言した人が持っているのは砂糖か胡椒です。
そして「名前と異なる調味料を持っている」という前提から、最初の発言者がコショウさんだと仮定すると、持っているのは砂糖のはず。
ですが、問題文には「最初に気づいた人は砂糖を手に持っていない」とあるため、ここでも矛盾してしまいます。
残された組み合わせとは
「最初に気づいた人」がシオさんでも、コショウさんでも矛盾するため、「最初に気づいた人」はサトウさんだということになります。
この場合、持っている調味料は塩か胡椒ですが、その言葉に対して「塩を持っている人」が返答していることから、サトウさんが持っているのは胡椒だとわかります。
そして、2番目に発言した「塩を持っている人」はシオさんではなく、サトウさんでもないため、これはコショウさんだとわかります。
そして残ったのはシオさんと砂糖であり、この組み合わせは成立します。
・コショウさん:塩を持っている
・シオさん:砂糖を持っている
「思考」のまとめ
最後にサトウさんが発言しているため、最初の発言者はサトウさんではないと思い込みがちですが、それを決定づける記述はありません。
1人ずつの発言を論理的に検証していくことで、無意識に選択肢から除外していた真実に辿り着ける問題でしたね。
・人はときに、「書かれていないこと」も信じてしまう
・論理的に考えることで、その思い込みを払拭できる
(本稿は、『頭のいい人だけが解ける論理的思考問題』から一部抜粋した内容です。)
都内上場企業のWebマーケター
論理的思考問題を紹介する国内有数のブログ「明日は未来だ!」運営者。ブログの最高月間PVは70万超。解説のわかりやすさに定評があり、多くの企業、教育機関、テレビ局などから「ブログの内容を使わせてほしい」と連絡を受ける。29歳までフリーター生活をしていたが、同ブログがきっかけとなり広告代理店に入社。論理的思考問題で培った思考力を駆使してWebマーケティングを展開し、1日のWeb広告収入として当時は前例のなかった粗利1,500万円を達成するなど活躍。3年間で個人利益1億円を上げた後、フリーランスとなり、企業のデジタル集客、市場分析、ターゲット設定、広告の制作や運用、セミナー主催など、マーケティング全般を支援する。2023年に現在の会社に入社。Webマーケティングに加えて新規事業開発にも携わりながら、成果を出している。本書が初の著書となる。