仕事ができるかどうかは、会食・食事会の「仕切り力」でわかる――。
面倒な雑務の代名詞「幹事」「食事会設定」は、社会人として逃れられない悩みの一つだ。「たかが会食」と捉えて適当にこなすと、クライアント・上司からの評価が大きく下がりかねない。
しかしこの一見、何の役にも立たなさそうな“貧乏くじ”に、実は「千載一遇のチャンス」が隠されていることを、見逃してはいないだろうか?
新刊『ビジネス会食 完全攻略マニュアル』では、“広告代理店卒・アルコールに弱い(1,2杯が限界)・非体育会系の著者”が、最大28会食/月を乗り越えて身につけた「実務に即したメソッド」を紹介している。
会食・社内飲み会・送別会・歓迎会など、古今東西すべての食事会で今日から使える本書。
今回は、「会場案内で重要なこと」を紹介しよう――。

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「最寄り駅からのアクセス」きちんと載せていますか?

歓迎会・懇親会のシーズンである。

おそらく多くの人が新年度を迎えるにあたり食事会の機会に触れているのではないだろうか。

そうすると自然と目についてしまうのが「幹事」の出来・不出来である。デキる幹事の案内は、そうでない不慣れな幹事とは大きな差がある。

そうした意味で「仕切り力」が目に見えてしまうからこそ、私はすべてのビジネスパーソンに「幹事」の重要性をお伝えしたいと思っている。一見「面倒な雑務」に思える会食や幹事は、実は裏を返せば、自分の実力をアピールすることのできる「千載一遇のチャンス」にも変わるのだ。

今回は、そんな幹事業務の中から「会場案内」において押さえておきたいポイントを紹介したい。

駅からのアクセスは「最寄り出口」まで記載しよう

当日になって迷って焦るのを避けるためにも、事前にお店の立地は確認しておきたい。特に、役職者はタクシーで現地に向かうケースも多々あるので、場所を押さえておくのがオススメだ。

世の中の幹事の多くは、たとえば食べログやGoogleのリンクをメールに貼り付けて案内を済ませているかもしれない。

しかし私はそれだけでは不十分だと考えている。もちろんリンクは必ず含めるべきなのだが、よりよい案内とするために、加えて「最寄り駅の出口」まで必ず記載するようにしてほしいのだ。

東京・大阪エリア在住の方向けの例で恐縮だが、例えば幹事からの案内メールに「渋谷駅徒歩5分」「梅田駅徒歩3分」とだけ書かれていたらどうだろうか。仮に文面を見たその時にすぐに気づかなかったとしても、向かう道中で、「そういえばこれってどこの出口?」とゲストが悩むシーンが目に浮かぶことだろう。

より適切なのは「渋谷駅A2番出口より徒歩5分」「梅田駅泉の広場より徒歩3分」と、動線を一意に定めることだ。複数の解釈が可能な案内ではまだまだ不十分である。参加者の負担を限りなく減らす言葉選びを心がけよう。

自分が送った情報を相手がどのように使うのかを「想像」し、「確固たる意志」を持ってゲストを会場に導いてこそ、デキる幹事だと言えよう。

(本記事は、『ビジネス会食 完全攻略マニュアル』の一部を抜粋・編集・加筆したものです)