じつは、秘策があります。それは、「プライベートカンパニー」の活用です。

 プライベートカンパニーとは、私たち個人が身にまとえる「魔法のマント」のようなものです。一家に1枚あるだけで、家族全員がその魔法の恩恵を受けることができるスグレモノです。

 なぜならば、プライベートカンパニーを羽織るだけで、家族全員が「法人」という特権階級に昇格してしまうからです。

プライベートカンパニーは
家族を守る魔法のマント

 プライベートカンパニーという名の「魔法のマント」が1枚あれば、まるで魔法使いになったように、いままでできなかったあらゆることができるようになります。

 プライベートカンパニーとは自分法人、つまりあなた専用の法人です。法人が税制面で圧倒的に低い税率になることについてはお話ししましたが、メリットはそれだけではありません。

 プライベートカンパニーを羽織るだけで取引上の信用力が上がって、ビジネスをするうえで有利になります。しかも、銀行からの融資も受けやすくなって資金繰り面でも安定性が増します。

 つまり、税制面・信用面・資金繰り面で優遇される最強のアバターです。

 しかも、法人というアバターには寿命がありません。プライベートカンパニーにつける社名も、掲げた理念も、プライベートカンパニーが保有する財産も、すべてを子々孫々と引き継いでいくことができます。

「魔法のマント」の他に「方舟」の役割も果たしてくれるというわけです。こんな便利なものを使わない手はありません。

 夫婦の収入を夫だけに偏らせるのではなく、妻にも収入源を持ってもらい、妻に経済的に独立してもらったほうが税制面でも圧倒的に有利でした。ところが、それよりももっと効率的に節税する方法が、このプライベートカンパニーを活用する手法なのです。

 プライベートカンパニーをつくってしまえば、夫と妻とプライベートカンパニーとの3者間でバランスよく所得の分散ができるので、節税効果もグレードアップします。

 中小法人は税率が低いというお話をしましたが、メリットはまだまだあります。青色申告を始めとするいくつかの制度を利用するだけで、さらに税金が安くなる仕組みになっているのです。

 税制は毎年変化していきますが、零細企業向けの優遇税制については、社会的弱者保護と雇用の維持という社会政策的な意味合いが強いので、撤廃されることはまず考えられません。