食事が腹筋に及ぼす影響は?
トレーニングだけで腹筋が鍛えられるという考えは「間違い」
「腹筋はキッチンでつくられる」という言葉には、確かな根拠があるのだとエリス氏は言います。「多くの人々が“腹筋を鍛えるにはトレーニングに打ち込むしかない”と妄信し、栄養管理の重要性を見落としがちなのは残念なことです」
科学的な裏づけを見てみましょう。
脂肪減少を目的としたトレーニングに関する研究が、2021年に行われています。まず56種類の研究調査(*3)を分析した結果、異なる有酸素運動がそれぞれ体脂肪率の低下に効果的であることが分かりました。ただし、栄養管理を取り入れることなくトレーニングだけを行った場合、有酸素運動の脂肪減少効果はさほど大きくないことも同時に判明しています。トレーニング量の多い人ほど大量のカロリーを摂取する傾向が高まり、そのことで結果が妨げられてしまうというのです。
正解: 身体を引き締める食事と運動の習慣を身につける
見栄えのいい腹筋を目指すことの価値は、「持続可能な健康と運動能力のための食習慣や運動習慣が身につくことだ」とエリス氏は言います。まずは生活習慣を全体的に整えながら、シックスパックの腹筋を目指しましょう。「トレーニングだけにとらわれるのではなく、栄養管理も組み合わせることでさらに大きなゴールを目指すのが望ましい」というのが、エリス氏からのアドバイスです。
「栄養バランス、心身の回復、トレーニング方法といった個々の観点から、一貫性のある日々の生活を、計画的につくっていくのです」とエリス氏。タンパク質をたっぷり摂取し、野菜もしっかりと食べ、脂質は健康的なものに限ること。それが腹部の脂肪を落とすことにつながり、苦労して鍛えた腹筋を維持しやすくなるのです。
「体形を崩さずに、理想的な腹筋をキープするためにも、持続可能な生活習慣を持つことが重要です」