割れた腹筋をつくるのに必要な時間は?
減量のペースにもよりますが、「うまく習慣化することさえできれば、最短30日ほどで腹筋がはっきりと見えてくる」とエリス氏は言います。しかし、わずか4週間ほどでシックスパックの腹筋をつくり上げるのは困難です。仮に実現したところで、その状態を維持できない可能性も高く、長期的なフィットネスの観点からは必ずしもすすめられないと、『アメリカ版メンズヘルス』のフィットネス・ディレクターを務めるエベニザー・サミュエル氏(C.S.C.S)(*2)は指摘します。
「もし割れた腹筋が見えるようになったとしても、おそらくは瞬間的なものに過ぎず、もしかしたらその後はまたすぐに元通りになってしまうかもしれません。ハードすぎるトレーニングを長続きさせるのも困難です」と、サミュエル氏。
「でも、持続可能な方法で時間を掛けて肉体を引き締めていけば、筋肉量を総じて増やせ、満足度も高まるはずです。体重を着実に絞っていくことで、身体の運動能力そのものが向上するからです。つまり、より健康な肉体になるということです」と続けます。
それでは、体脂肪率10パーセントを達成するために「すべきこと」と「すべきでないこと」をエリス氏とサミュエル氏に解説してもらいながら、見た目と運動能力を兼ね備えた理想的な腹筋を手に入れるためのトレーニングについて学んでいきましょう。
腹筋の見栄えを追い求める人々が犯す最大の過ちとして、エリス氏とサミュエル氏が共に指摘するのが「結果を急ぎ過ぎること」です。6日間、あるいは6週間だけシックスパックの腹筋を手に入れたところで、生涯にわたって持続可能なフィットネスは実現しません。
「結果を急ぐと、大きな恩恵を取りこぼしてしまう」――つまり、“肉体改造の過程で得られるはずの習慣が身につかずに終わってしまう”とエリス氏は注意を促します。そして、こうアドバイスします。
「睡眠の質を高めたり、栄養管理や水分補給の大切さについて学んだりすることがなぜ重要かと言えば、それがより良い生活習慣につながるからです」
まずは、身につけるべき習慣について専門家のアドバイスに耳を傾け、同時に避けるべき習慣についても知識をつけていきましょう。