「何をやらせてもダメね」「あきっぽい性格…」親から言われ続けた子どもの20年後Photo:PIXTA

くじけやすい人の特徴として、「自分を過小評価する」「責任感が強い」「完璧主義」が挙げられるという。心がポキッと折れそうになる前に、心理学と先人の知恵から「くじけない心」を身につけて毎日を充実させよう。※本稿は、植西 聰著『くじけない心のつくりかた』(あさ出版)の一部を抜粋・編集したものです。

「どうせダメだ」という「自動思考」に要注意
自分の良さを知って本当の自分の評価する

 心理学に、「自動思考」という言葉があります。

「ある事柄に接した時に、瞬間的に現れる考え方のくせ」を表す言葉です。

 たとえば、仕事を進めている過程で、ちょっとした不具合が生じたとします。

 その瞬間、「これでもう、この仕事はうまくいかない。どうせダメだ。自分には、どうせ無理なんだ」という考えに頭を支配されてしまいます。

 本当は、その不具合を解消する手段があるにもかかわらず、それをよく検討してみることもしないで、自分で勝手に「どうせダメだ」と決めつけてしまっているのです。

 その不具合を上手に解決すれば、ぐっと成功に近づくにもかかわらず、瞬間的に「どうせ無理だ」と思い込むのです。

 この自動思考は、「心がくじけやすい人」の特徴とも言えます。

 自動思考から脱却するには、まずは自分にこういった「思考ぐせ」があることを自覚することが大切です。

 自覚しているからこそ、「あ、また私は『どうせダメだ』『どうせ無理だ』と考えてしまっている」と、自分の思考の状態に気づくことができます。

 そして、気づくことで、「本当にダメなのか、本当に無理なのか、もう少しよく考えてみよう」という意識も働き始めるのです。

 実際によく検討すれば、「ダメではない」「無理ではない」ということがわかってきます。

 それと共に、問題を解決しようという意欲も湧いてきます。

<くじけない心をつくるポイント>
本当にダメなのか、無理なのか、よく検討してみる。

 また、「くじけやすい人」の性格的な特徴の一つに、過大評価とは逆に「自分を過小評価している」ということも挙げられます。

 本当は、すぐれた能力があるにもかかわらず、「私は何の能力もない、つまらない人間だ」と、自分を過小評価してしまいがちなのです。

 本当は、努力家であるにもかかわらず、「私はあきっぽい性格で、何をやっても長続きしない」と、決めつけてしまう人もいます。

 そのために、何かしらの困難に直面した時に、「能力のない私には、この困難を乗り越えていけない」「そもそもあきっぽい性格の私だから、これ以上がんばることはできないだろう」と考えて、すぐに心がくじけてしまうのです。

 このようなタイプの人は、子供の頃、親から「あなたは、何をやらせてもダメなのね」「あなたは、あきっぽいわね」などといったネガティブな言葉で叱られることが多かったようです。

 つまり、親から「能力がない」「あきっぽい性格だ」という固定観念を植えつけられてしまっているのです。