そうならないためには、早い段階で、誰かに相談したり、場合によっては、人に助けを求めたりすることが大切です。

 そのほうが「くじけない」ですみます。

 相談した相手からもらったアドバイスが、問題解決のいいヒントになることもあります。

 直接的に力を貸してもらうことができれば、なおさら早く問題を解決することができるでしょう。

 相談するだけでも気持ちが楽になります。

 チベット仏教の指導者だったサキャ・パンディタは、「自分でどうにかなると思っていても、すべてのことを相談してみる。相談を好まない者は、後悔することになる(意訳)」と述べました。

 人に相談したり、助けを求めたりすることを避ける必要はありません。「人の迷惑になる」などと考える必要もありません。

 人から助けてもらったら、今度は自分がその人が困っている時に助けてあげればいいのです。人間は、そのように支え合いながら生きていくものなのです。

<くじけない心をつくるポイント>
「自分一人で解決してみせる」という考え方を捨てる。

 それから、「完璧主義」のような性格の持ち主も、気持ちがくじけやすいです。

 仕事でも何でも、「完璧だ」と言える状態にまで仕上げないと満足できないため、80パーセントの出来では落ち込んでしまうのです。

 しかし、何事でもそうですが、「100パーセントうまくいく」ということなど、まずありません。

 どこかから必ず、うまくいかない点や、思うようにならないことが見つかるものなのです。

 しかし、完璧主義のような性格の強い人は、そんな「うまくいかない点」「思うようにならないこと」が許せません。

 そして、そのような不具合が見つかると、「なんて私はダメなんだろう」と、気持ちがくじけてしまいます。

 ですから、完璧主義の人は、しょっちゅう気持ちがくじけてばかりいます。

書影『くじけない心のつくりかた』(あさ出版)『くじけない心のつくりかた』(あさ出版)
植西 聰 著

 そうならないために大切なことは、80パーセントうまくいったら、「それで良し」と考える習慣を持つことです。

 努力しても思うようにならなかった、残りの20パーセントは、「次の課題」にすればいいのです。

 そのように大らかな気持ちで生きていくほうが、くじけることなく、楽な気持ちで日々を過ごすことができます。

 ただし、仕事によっては、完璧を目標とする場合もあります。

 100パーセントの努力をしてもどうしようもない時は、反省をしたうえでやむを得ないとすることが、「自分のため」になるのです。

<くじけない心をつくるポイント>
80%うまくいったら、「それで良し」と考える。