事件後に明らかになったルディーの偽造ワインレシピ
ルディーは、多くのオークションハウスからプレオークションディナー(オークション前日の招待客向けのディナー。高級なワインが多く振る舞われる)へ招待されていたので、本物の味をよくわかっていました。
その経験から、彼は安価なワインを古いロマネ・コンティ風、シュバル・ブランの90年風、アンリ・ジャイエ風などと表現できたのでしょう。逮捕後に発表されたFBIのレポートからルディーの偽造ワインレシピが明らかになりましたが、彼は安いチリワインに古いポートワインをブレンドし、ハーブを細かく刻んで入れ、隠し味に醤油を数滴垂らしていたようです。これでワイン専門家も騙だませるフェイク高級ワインの出来上がりです。偽造するワインに合わせて、チリワインをカリフォルニアワインに変えたり、微妙にブレンディングやハーブを調整したりもしていました。
ルディーがラベルづくりで一番苦労したのはペトリュスだったそうです。ペトリュスは特殊な紙に特殊な印刷を施し、さらには数年に1度微妙にデザインを変えています。ルディーが、地元のインドネシアで手触りや色が近い紙を調達し、密かにこのペトリュスの偽造ラベルを印刷していたことも明らかになっています。
また、本物のボトルに調合したワインを詰め替えてもいたようです。今思えば、プレオークションディナーや実際のオークション中に振る舞われた本物のワインの空瓶を持ち帰っていたのかもしれません。