言語化する能力に乏しい
『あれこれ突っ込んで質問してみても、やっぱりはっきりしない、というわけですね』
「ええ。たとえば、ある同僚の態度に不満を持っているということは伝わってくるんですけど、どんな態度が問題だと思うのかと尋ねても、『なんか嫌なんです』『あれはよくないと思うんです』って言うばかりで、具体的な説明にならないんです」
『そうですか。言語化が苦手、自分が思っていることを言葉で説明するのがどうも苦手なようですね』
「あっ、それですね。そういえば、こんなこともありました。本人がやっている作業に入力ミスが多いので、定型文のコピペをして、日付や数字や先方の名前をその都度修正すれば、毎回すべて入力するよりミスが少なくなるのではとアドバイスしたんです。それに対して、『そうすると、かえって間違えそうで……』と言う。でも、すべて新たに入力することで入力間違いが目立つのだし、コピペをしたくない理由というか、こだわりでもあるのかと尋ねても、『もう、いいですか』と言って立ち去っちゃうんです。言語化できないんですね、きっと」
『何か思うことがあるんでしょうけど、それをうまく言語化できないんでしょうね。トラブルが多いというのも、思っていることを周囲の人にうまく伝えられないことが関係している可能性がありますね』
「あんな感じだと、私もイライラするほどだから、一緒に仕事している仲間たちもイライラするはずです」
『そうですね。本人自身も、周囲にわかってもらえないためイライラするんだと思います。やはり言語化の訓練をする必要がありそうですね』