仕事ができるかどうかは、会食・食事会の「仕切り力」でわかる――。
面倒な雑務の代名詞「幹事」「食事会設定」は、社会人として逃れられない悩みの一つだ。「たかが会食」と捉えて適当にこなすと、クライアント・上司からの評価が大きく下がりかねない。
しかしこの一見、何の役にも立たなさそうな“貧乏くじ”に、実は「千載一遇のチャンス」が隠されていることを、見逃してはいないだろうか?
新刊『ビジネス会食 完全攻略マニュアル』では、“広告代理店卒・アルコールに弱い(1,2杯が限界)・非体育会系の著者”が、最大28会食/月を乗り越えて身につけた「実務に即したメソッド」を紹介している。
会食・社内飲み会・送別会・歓迎会など、古今東西すべての食事会で今日から使える本書。
今回は、「若手に食事会マナーを指導する方法」を紹介しよう――。

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「食事会での振る舞い」若手に指導できますか?

昨今の若手は、コロナ禍もあり、「食事会での振る舞い」で試行錯誤する経験がどうしても少なかった世代である。

たとえ優秀な若手であっても、他意なくコミュニケーションにおいてミスする可能性があるかもしれない。

「なるほど」も失礼に当たるあいづちとして紹介されることが多いが、実際の現場では頻繁に使われているシーンに遭遇する。
昨今、部下に注意をしづらいのは事実であるが、「社会人としての常識」の範囲で、上司・先輩として適切な指導をしていただきたい。

食事会におけるNGセリフ3選

過去に私が百戦錬磨の先輩方から指導を受けたうちのいくつかを紹介するので、役立てていただきたい。

◎「そうなんですよ!」
会食に限らず、目上の方が多い飲み会でさまざまな方からアドバイスをいただく機会があるだろう。その際に「そうなんですよ!」と相づちを打ってしまう方はちらほらいる印象だ。
これは極めて不適切である。自覚している欠点、意識している改善ポイントについて指摘をされた際にしがちなのだが、「それは言われなくてもわかっています」と捉えられてしまうリスクがある。言い換えて「おっしゃる通りですね。今後気を付けてまいります」「貴重なアドバイスをありがとうございます。大変勉強になります」などとするように指導するのがいいだろう。

◎「参考にします」
使いがちな発言である。「参考にします」だと、「自分の意見は決まっているが、あなたの意見は参考程度に聞いておきます」という意味になりかねない。
目上の人やゲストからアドバイスをいただいた場合、「勉強になります」がいいだろう。

◎「この店初めてで」
あなたがホストの場合、仮に初めて利用する店であったとしてもわざわざ伝えるべきではない。ゲストからすると「初めての店を選ぶということは、私たちが大切にされていないのではないか」と捉えられかねないからだ。会食でよく使うジャンル(フレンチ・イタリアン・割烹・会食向けの居酒屋)ごとに行きつけの店を作り、信頼関係を築いておくに越したことはない。

(本記事は、『ビジネス会食 完全攻略マニュアル』の一部を抜粋・編集・加筆したものです)