一番わかりやすいところで言うと、身だしなみです。通常より崩れ始めたら何か変化があったことを疑ってください。これは、私が警察官だったとき、部下のマネジメントをする際に用いていました。

 例えば、それまでパリッとした白いワイシャツだったのが、シワシワになったり、汚れがついていたりする。スーツのシワも同じです。あるいは靴をしっかり磨いていた人間が、汚れた靴のまま歩いている。ヒゲをきれいに剃っていたのに、剃り残しが目立ち始める。爪が長いまま放置されている。顔にも変化は表れます。肌荒れや目の下のクマなどは生活習慣の乱れに起因しているかもしれません。意外と早く変化が生じるのが臭いです。口臭や体臭もケアがおろそかになるとすぐに発生しますからね。

 このような変化が生じた場合、身だしなみや体のケアに気を配れなくなるぐらい他のことに頭を取られていることが考えられます。もしかしたら、業務量が多すぎてパンクしている可能性もあります。

 こうした外見的な変化が生じたときは、頭の片隅に置くようにしていました。実際に話を聞いてみると、パチンコと競馬で借金を作って首が回らなくなっていたり、家庭の不和で自宅に帰れていなかったりと、私生活でトラブルを抱えていることが多くありました。

 昨今は、同僚のプライベートについて聞き出すことは難しくなっていますが、本人からそれとなく聞き出したり、周りから情報を集めたりすることで適切なマネジメントに繋げることができます。

 身だしなみに加えて、態度の変化も見逃せません。例えば、会話するときの態度が悪化したり、机に荷物を置くときにドンッと音を立てるようになったりするような場合は、気に留めておいてください。人や物に対する態度は、その人の考え方や状況が反映されやすいです。