だが442kW(601ps)/820Nmを誇るシステム出力とトルクは圧巻。全力加速時は保舵力が軽くなるのを実感するほどだった。良いか悪いかは別問題として、走り出しの瞬間から高い静粛性をそのままにヘビーウェイトを忘れさせてくれることになった。
フロントに245/40、リアに275/35サイズの20インチタイヤを、共に2.7バールという比較的高い内圧で履くにもかかわらず、フラット感が高く路面凹凸への当たりも比較的マイルドな乗り味にも驚いた。タイヤがランフラット構造ではないことやリアサスペンションにエアスプリングを採用した効果は少なくなさそうだ。
ハンドリングの完成度も高い。重い車重や4WDシステムであることを意識させない自在なハンドリング感覚の持ち主に仕上がっている。さすがにBMWの作品である。
エンジン車はガソリンの523iに試乗。2Lのターボ付き4気筒エンジン(190ps/310Nm)を搭載した523iは、i5と同じく5mを超える大柄ボディの持ち主でありながら走りは爽快。グンと強い走りの身の丈感を味わえた。