わが子に最強の中高一貫校&塾&小学校 2025年入試対応#9

「低学年からの算数の先取り」を武器に、塾生の87%が御三家・早慶付属以上に合格した少数精鋭塾として知られる「フォトン算数クラブ」。中学受験塾の上位生も通う算数特化型の塾だが、なぜこれだけのすさまじい結果を出せるのか。特集『わが子に最強の中高一貫校&塾&小学校』(全46回)の#9では、武井信達塾長に合格実績や先取りの是非、「子どもを算数好き」にする秘訣を直撃。注目度が高まっているオンライン講座や、今後の展望についても聞いた。「週刊ダイヤモンド」4月6・13日合併号の3倍ものボリュームによる、インタビュー完全版をお届けする。(ダイヤモンド編集部 篭島裕亮)

フォトン塾生の87%が
御三家・早慶以上に合格

――2024年2月入試の合格実績が注目されています。

 24年2月に中学受験をした第17期生は男子71人、女子34人ですが過去最高の成績となりました。今年は特に女子が強く、桜蔭は16人受験して15人合格、女子学院は8人受験して8人全員が合格しました。

 女子で算数が強い子は、他科目もそこそこできる子が多い印象です。5年ほど前から女子御三家の算数が難しくなっていますが、フォトン算数クラブの女子は難しい算数で差をつけて、他の科目も弱点がないので偏差値がすごく高く出るわけです。

 男子も開成に18人合格していますし、頑張っています。ただし、男子の場合は算数が良くても、国語が致命的に苦手な子が結構いるんですよ。

――ほとんどの塾が「延べ合格者数」を発表する中、フォトンでは「全塾生の何%が御三家・早慶付属以上に合格」という数字を発表しています。

 24年入試では87%の生徒が御三家・早慶以上の偏差値の学校に合格しました。フォトンではSAPIXの偏差値表で早稲田大学高等学院中学部の偏差値以上の学校を「御三家・早慶以上」と明確に定義しています。

 実は近年、付属校の人気が高まり、早慶付属の偏差値が上昇しています。本音を言うと、7、8年前の偏差値であれば「95%程度までいったのに」という気持ちもありますが、生徒が健闘してくれて昨年の数字(83%)を上回ったことはうれしいですね。

 ご家庭にとっては、わが子が合格するかどうかが大切です。優秀な生徒が複数合格して稼いだかもしれない「累計の数字」では意味がありません。フォトンは下のクラスの子でも早慶には届く子が多いですね。

武井信達武井信達(たけい・のぶたつ)/フォトン算数クラブ塾長。慶應義塾大学大学院理工学研究科卒業(同大学卒業)。中学受験算数指導歴30年以上。2007年に東京・自由が丘にて1人でフォトン算数クラブを創業。

――「算数特化塾」で結果を出している理由をどう考えていますか。

 大きく二つあります。中学受験では難関校も含めて算数が最も差のつく教科だということと、先取りするのであれば算数だということです。暗記科目ではなく、積み上げていく科目なので、低学年から始めることに強いメリットがあります。

 基本方針としては、楽しく学ばせてあげたいと考えています。スパルタではありません。その上で、深いレベルで算数ができるようになることが楽しい、ということも伝えたいと思っております。

――2年生からのスタートと飛び級制度が特徴です。低学年からの先取りや飛び級制度には批判もありますが、その真意を教えてください。

次ページでは「算数を好き」にさせて成績を向上させる秘訣や、批判もある「低学年からの先取り」をする真意、家庭学習やオンライン講座についてなどを武井塾長に直撃。圧倒的な実績の背景について聞いたインタビューを、雑誌版の3倍超のボリュームでお届けする。