トランプ氏、有罪になれば禁錮刑の可能性も
増田 トランプ前米大統領を巡る裁判が次々に始まっています。一つは、トランプ氏の会社であるトランプ・オーガニゼーションが、実際には利益が出ていないにもかかわらず、利益が出たとする偽造書類を作って金融機関から融資を受けた件で、ニューヨーク州での民事裁判で訴えられ、巨額の賠償金を科せられています。
池上 トランプ氏側は控訴しましたが、控訴に必要な保証金4億5400万ドル(約700億円)が払えず窮地に陥っていました。
増田 これについては保証金が1億7500万ドルに減額されたこと、納付期限が延長されたことで、4月10日までに何とか保証金を納めることができたようです。
池上 もう一つは不倫の口止め料を巡る裁判です。不倫相手とされる女性に弁護士事務所が13万ドルを支払って口止めしたのはトランプ氏の指示だった、と女性と弁護士事務所が主張しているのに対し、トランプ氏は不倫関係を否定しつつも口止め料の支払いは認めています。この件に関し、支払いは弁護士費用だったことにするために、帳簿や業務記録を改ざんした罪に問われています。
増田 口止め料裁判についても4月15日に初公判が開かれ、トランプ氏も裁判所に出廷。公判後には「これは選挙妨害だ」「米国に対する攻撃であり、迫害だ」などと述べたと報じられています。
池上 もし有罪になれば禁錮刑の可能性もあるので、大統領選挙がどうなるかは注目です。米国の法律には、「禁錮刑になった人は大統領選に立候補してはいけない」とか、「大統領になってはいけない」といった規定はありませんから。
増田 通常は、裁判沙汰になれば有権者から「大統領としてふさわしくない」と判断されるのに、トランプ氏はむしろ支持率が上がっているんですよね。
池上 そうです。裁判ごとに献金も積み上がっていました。
増田 ますます応援が集まるなんて、まさに前代未聞の状況です。