条件3.いつか買おうと思いながら、家賃を払い続けている

 最後は「買うタイミング」です。今まさに不動産価格が上がっているため、数年待てば価格が抑えられるのではと思っている人は多いのではないでしょうか。

 しかし、数年後に多少、不動産価格が下がったら得しているかというと、そんなことはありません。いつか家を買おうと思うなら、早く買ったほうがいい理由は2つあります。

 1つ目は値段が下がる間に払っている賃料もバカにならないということです。5000万円の物件を買うと想定すると、月々の支払額はおよそ15万円です。このことを前提に、仮に皆さんが現在15万円の賃貸に住んでいたとすると1年間で180万円分の賃料を払っているという計算になります。この状態で5年間待つとなるとその賃料合計は900万円です。

 待ってよかったとするためには5000万円の物件が4100万円以下になってはじめて言えることであり、割合にすると約20%のディスカウントです。5年でここまでの値下がりを期待するのは難しく「待つことのコスト」のほうが高くついてしまうというのが実態です。

 もちろん、焦って買うのはNGですが、根拠もなくダラダラと値下がりに期待するのであれば、今から前向きに検討するほうがいいでしょう。

 2つ目の理由は健康上の問題です。多くの場合、住宅ローンを組む際には、なにかあったときに備えて団体信用生命保険(通称:団信)というものに加入します。この団信ですが、近年は各銀行や保険会社の努力によってかなり充実しており、がんや三代疾病などのオプションをつけるなどの選択肢が増えています。

 ただ、加入する際の注意点としてその時点での健康状態が見られるため、加齢とともに健康状態が悪かったりすると金利が上乗せされてしまったり、そもそもオプションをつけられなかったりと最大限活用することが難しくなってしまいます。もちろん団信のために家を買うわけではないですが、もし家がほしいのであれば、早めにアクションを起こして、若くて健康なほうが得られる恩恵は大きいのです。

 以上が、私の考える持ち家にしたほうがいい人の3つの条件です。これに当てはまらないとダメということは決してありませんが、もし当てはまる人は、何度もいいますが積極的に購入を検討してもいいでしょう。