婚活女性が気にするのは
価値観か年収か?

 ちなみに結婚の理由に「経済的な安定を得たい」と答えている人は、女性で4割程度と、それほど高くない。女性も働く時代になったことが反映されているのだろうか。女性にとって結婚は、経済的な安定を求めてするものではなくなりつつあるようだ。

 これを裏付けるように、結婚相手に求める条件には、

1 価値観が近いこと
2 一緒にいて楽しいこと
3 一緒にいて気をつかわないこと

 と、精神面に関わる内容が続く。

 そして「経済力」や「学歴」は、「恋愛感情」よりも、結婚の条件として低い。

 結婚は恋愛の延長とまではいかなくても、気の合う楽しい人と結婚したい、というのが、現在の若者の気持ちのようだ。恋愛はともかく、気の合う人と、という気持ちは私もよくわかる。

 しかし、婚活中の編集者は別の見解を示した。

 婚活中の女性は、男性の年収をかなり気にすると言うのだ。

 結婚相談所などの調査によると、女性が結婚相手の男性に望む年収は「400万~600万円」程度だという。現在、男性の平均年収は500万円程度だから、平均程度を希望しているということだ。

「平均」を希望するというのは、それほど高望みではないと見ることもできるが、平均以下の2分の1は排除することになるわけで、男性にとってはシビアな条件だと見ることもできる。

 結婚相手として高収入の男性を強く望む女性もある程度いて、医師などの高年収の男性だけを集めた結婚相談所もあるという。そういう場所で会費を多く払うのは女性だという。

 実際、男性の年収と未婚率には相関係数があるようだ。

 内閣府の意識調査などに表れるのはいわば建前であり、真剣に結婚を考える段になると、身もふたもない本音が顔を出してくるのかもしれない。結婚相談所などの調査結果からは結婚に「経済」が深く関わっている現状が垣間見られるし、そこには男女差があるようだ。

 女性も自分一人を食べさせることができれば、相手に経済力を求める必要はないだろう。そうはなっていない現状が窺える。

 そこには女性は働き続けることがいまだ難しいという労働環境の問題もあるだろうし、女性の意識の問題もあるだろう。