現在BEVでこれだけ走りが楽しめるのは
このプラットフォームしかない

 カントリーマンSE ALL4の走りは、すべてのレベルが高い。低速域から高速域までBEVであることを忘れさせる軽快さが際立っていた。スタートも好印象。アクセルに対するリニアな加速に不自然さはない。初速からいきなり太いトルクが立ち上がることはなく、踏みしろに比例するカタチで出力を発揮する。そしてワインディングに入ると床下にバッテリーを敷き詰めているのを忘れさせるフットワークのよさを見せつける。ここがMINIの個性。ほとんどのメーカーのBEVは“もっさりした重さ”を感じさせるのだが、それがない。また、回生ブレーキがコーナーの手前のアクセルオフでいい感じに利くのも美点。いかにも“ゴーカートフィール”をコンセプトにを掲げるMINIらしい。開発陣は走りのツボを熟知している。現在BEVでこれだけ走りが楽しめるのは、このプラットフォームしかないだろう。

 MINIジョン・クーパー・ワークス・カントリーマンも抜群に楽しかった。これまでと同様パワーもフットワークもスタンダードモデルのひとつ上をいく。とにかく速い。が、固められたサスペンションは少々乗り味を悪くする。試乗車の20インチのピレリP-ZEROだと、路面によっては気になるピッチングが発生した。

 新型MINIカントリーマンとのファーストコンタクトは上々だった。日本でもこれから触れるタイミングが増えるだろう。パワーソースの豊富さからも魅力あるモデルであることは間違いない。もちろん年央に上陸予定の3ドアハッチのMINIクーパーも大いに気になる。MINIは力強く前進した。

(CAR and DRIVER編集部 報告/九島辰也 写真/MINI)

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