「忙しすぎて本を読む時間がない」「1冊読み切るのに時間がかかる」「読んでも読んでも身につかない」――そんな悩みを抱えているビジネスパーソンは少なくありません。本を読めばいいことはわかっているのに、自主的に読めない人もいるでしょう。
何の本をどう読み、どう活かしていくか――働くうえで必携のビジネススキルを良書から抜き出したのが『ひと目でわかる! 見るだけ読書』。本書は、コスパやタイパを重視する現代的な読書スタイルを重視する人にとっても、魅力的な読み解き&活用法です。たった「紙1枚」を見るだけで本の最も大事なポイントが圧倒的なわかりやすさで理解でき、用意したワーク1枚を埋めるだけで即スキル化できる1冊。それも1万冊の読書体験と1万人を教えてきた社会人教育の経験から、絶対に読んでほしい24冊+αを紹介。ただ、エッセンスをまとめただけでなく、読後には、紹介した本が有機的につながっていく仕掛けがあなたのビジネススキルを飛躍的に向上させます。

【思考法】なぜ「1冊」の本が「1枚」にまとまるのか?Photo: Adobe Stock

「目的」があるから1冊が1枚になる

 古今東西のベストセラーや名著について、そのエッセンスを「紙1枚」にまとめたのが『見るだけ読書』。「紙1枚」書くだけでそのエッセンスをさっそく仕事や人生に活かせる仕様です。

 こうした本を何冊も上梓してきたのですが、そのたびに「どうしてそんなことができるんですか?」といった質問をよく受けます。端的に回答すると、キーワードは「目的」です。

 当然ながら、200ページ超の本の内容をそのまま「紙1枚」に収めることなどできません。一方で、書かれている内容を全て記憶することもまた困難です。だからこそ、次のように発想を転換してみてほしいのです。

 どうせすべて覚えることなどできないのだから、「自分にとって必要なことだけをエッセンスとして選びとり、それを学びとしてストック・活用していこう」

 こうやって「目的」を明確にするからこそ、「紙1枚」レベルに読書をまとめていく道がひらけてくるわけです。

420ページの本を「紙1枚」にまとめる

『見るだけ読書』の終盤で、『ビジョナリー・カンパニー2 飛躍の法則』(ジム・コリンズ著、山岡洋一訳、日経BP)を「紙1枚」にまとめて紹介しました。

【思考法】なぜ「1冊」の本が「1枚」にまとまるのか?『見るだけ読書』から抜粋

 この本は400ページ以上あり、様々な側面から学びを得ることができる名著です。ただ、私自身にとって最も学びとなった内容は、「弾み車の法則」でした。

 そこで、「この法則への理解を深め、日々実践もできるように」という「目的」のみに絞って、図のような「紙1枚」にまとめてアウトプットしました。もう10年以上前の話です。

その後、実際に長年にわたってこの「紙1枚」を活用できているため、『見るだけ読書』で紹介しました。このように、『見るだけ読書』で紹介している24冊プラスアルファの本は、こうした経緯を経て選書されたものばかりです。

 何より、全ての書籍について、実践に直結する「紙1枚」まとめが掲載されていますので、この機会にぜひ手に取ってみてください。

(本原稿は書籍『ひと目でわかる! 見るだけ読書』著者の書き下ろしです)