従業員の給料を上げつつ
メニュー価格を下げるためには
もちろん、飲食店といっても価格帯はさまざまです。私の肌感覚ですが、一般的な飲食チェーンなら人時生産性は1時間あたり2000~3000円ほどでしょうか。
人時生産性は、業界の構造によって左右されます。利益の出しやすい業界と、出しにくい業界があるのです。とはいえ「業界標準を超えていこう」という気概がまったくなければ、業界全体として発展していくことができません。
サイゼリヤでは、1時間あたりの人時生産性は6000円を目標にしています。すでに、低い店で4000円台、高い店では6000円台に達しています。
店長には売り上げの目標は課していませんが、稼働計画による経費のコントロールにより、人時生産性を5000~6000円にコントロールするよう求めています。
たとえば悪天候で客足が悪くなったとき、備品の整理を前倒しで行い、先々の稼働を抑えるなど.....、経費コントロールには、かなりの工夫の余地があるのです。
正垣泰彦 著
なぜここまで人時生産性を追求しているかというと、これも「人のため」。従業員の給料を上げ、サイゼリヤのメニューを値下げしたいからです。
おおむね、人時生産性の40%がその人の時給として振り分けられます。
人時生産性は、あなたの仕事がもたらした粗利を稼働時間で割れば算出できます。
ぜひあなたも、その1時間がどれだけお客様のためになっているのか、まずは知るところから始めてみてください。