秩序が乱れ、迷いがあると、目の前の仕事に集中できません。浮かれて余計なことをしたり、「自分中心」的な考え方で身勝手なことをしたりしてしまいます。

 3人でやるべき仕事は、必ず3人でやりましょう。多くても少なくてもいけません。

 全員が「絶対やるべきこと」に没頭、集中し続けている状態でこそ、組織はお客様のために最高のパフォーマンスを発揮することができます。

 そこには秩序と調和があります。みんなで楽しく、仲良く、大きなやりがいを持って働くことができることでしょう。

「人のため」の時間効率を
可視化する「人時生産性」

 仕事とは、時間そのものです。

 従業員の大切な時間を「人のため」と最大限に生かしきることが、経営者の大きな役割だと私は考えています。

 そのために重要視している指標が、「人時生産性」です。

「人時生産性」とは、「従業員1人1時間あたりでどれだけの粗利を生み出したのかを測る指標」で、計算式は次の通りです。

「人時生産性」=1日の粗利益額÷従業員の1日の総労働時間
※「粗利益額」……売上高から原価を差し引いたもの
※「従業員の1日の総労働時間」……その業務にかかった作業人時数

【例1】2人の従業員が2時間かけて1万2000円の粗利を出した場合、人時生産性は、1時間あたり3000円です。
計算式……12000÷(2×2)=3000

【例2】従業員の労働時間が25時間、1日の売り上げが10万円、粗利益率が65%の場合、粗利益額は6万5000円(100000×0.65)。人時生産性は、1時間あたり2600円です。
計算式……65000÷25=2600

 人時生産性の平均は、業種によってかなり異なります。中小企業庁が公開している「中小小売業・サービス業の生産性分析」(2021年6月)によると、業種別の平均人時生産性は次のような数値になっています。

・製造業……2837円
・小売業……2444円
・宿泊業……2805円
・飲食店……1902円

 製造業と飲食店の人時生産性を比較すると、約1.5倍もの差があることにお気づきでしょうか。飲食業界の人時生産性は低いのです。