施設一体型の中高一貫校でもなければ、中学校と高校の雰囲気が大きく変わるというのは、よくあることです。

 校舎や体育館などの建物という点もそうですが、そこに通う生徒の特徴、生徒数や教員数も、学校の雰囲気を形作るでしょう。「伝統」のような一見目に見えない要素も、そこに関連してくるかもしれません。あるいは、周辺地域の様子もその学校の雰囲気を作り出すことでしょう。

 男女共学の中学校から、女子校や男子校に入学するという場合は、学校風土やクラス風土の変化をさらに大きく感じられるかもしれません。

 生徒数に着目してみると、かつての私が通学していた中学校は各学年3クラス(各学年100名程度)しかありませんでした。それが高校に進学すると、各学年が8クラス(各学年300名程度)になり、同学年の生徒の人数も全校生徒の人数も、中学校の時とは大きく変わりました。

 それだけでも私は学校規模の違いを感じましたし、「自分は大勢の中の1人」に過ぎないのだという意識も芽生えました。また、高校は進学校であったということもあり、中学校の時よりも、学校全体に勤勉な雰囲気が漂っているように感じられました。

 学校の雰囲気という点では、学校のルール、つまり、校則もそれを作り出しているかもしれません。最近では、一人ひとりの違いを尊重し、それを受容することを求める機運が高まっています。それは社会だけではなく、学校でも同じです。全国的にどんどん良くなっているとは思いますが、現在でも「前時代的」な価値観が強く残っている学校もあるでしょう。それはしばしば、いわゆる「ブラック校則」の問題として、ニュースでも時々取り上げられます。

 例えば、「髪の毛は黒でないといけない」「前髪が眉毛にかかってはいけない」「ツーブロックは禁止」「スマートフォンは教室に持ち込んではいけない」「下着の色は白にしないといけない」「自動販売機は授業間の休み時間には使用できない」といった具合です。これらは、昭和のとある時期に「学校の荒れ」が大きな問題になり、全国的に校則が厳しくなったことの「遺産」であると言えるかもしれません。

 読者のみなさんは、高校に進学してから、学校やクラスの風土にどのような違いがあったと思いますか?この話題について、違う高校に入学した人や違う年代の人と共有してみると、学校や年代によってさまざまに異なることに気がつけるかと思います。