B社の探偵は、なんとかして不倫の証拠写真を押さえることができたものの、それ以降は不倫カップルに警戒されてしまい、全く尻尾をつかめなくなったとのこと。

 結果、Aさんは夫の浮気相手の自宅・勤務先・本名などをいつまでたっても特定できず、訴訟や慰謝料請求にも踏み切れないまま、ただ時間だけが過ぎていった。「このままではまずい」と新たな探偵事務所を探した結果、東京IT探偵にたどり着いたそうだ。

東京IT探偵が使った
「浮気相手を4秒で特定する検索術」とは?

 他の事務所では解決できなかった案件を、筆者が「駆け込み寺」のような形で引き受けるのはよくある話だ。

本業はITエンジニア、副業は探偵…2つの顔を持つ男が駆使する「浮気相手を4秒で特定」する検索術とは?東京IT探偵の“中の人”

 この際、一般的な探偵事務所であれば「ウチの探偵は尾行の技術があるので、今度はバレずに素性を掴めます。もう一度、ご主人の後をつけてみますね」などと答えるかもしれない。だが筆者は「一般公開されているAIを使えば、意外と簡単に解決できるかもしれない」とAさんにお伝えした。

 プログラミング言語の「Python」などを駆使し、この案件に特化した「浮気調査用AI」をゼロから作ることももちろん可能なのだが、そうすると時間もコストもかかる。Aさんが求めているのは「浮気相手の素性をとにかく早く知ること」。その依頼に応えるためには、今回は既存のサービスを使うのが最善だと判断した。

 筆者が使ったAIは大量の顔画像を学習しており、インターネット上に散らばっている写真の中から、特定の人物が写った画像を「たった4秒」で発見できる代物だ。具体名は伏せるが、その気になれば誰でも利用できる。

 筆者はこのAIに、かつてB社の探偵が「顔バレ」しながら撮影した、Aさんの夫と並んで歩く若い女性の写真を読み込ませた。すると、その女性が過去にやっていたブログなどではなく、意外すぎるWebサイトがヒットした。

 検索に引っ掛かったのは、とある大手企業の採用サイト。その「社員の声」ページには、自信あふれる笑顔と大きなジェスチャーで、働き方や自社のビジョンを「浮気相手の女性」が堂々と語っているインタビュー記事が掲載されていた。社名はもちろんのこと、本名や所属部署まで丸出しだった。