ビジネスでは優秀な人が
不倫をする理由

 ここまで個人を特定できると、残りの作業は簡単。その会社のオフィスビル付近に張り込み、女性が退勤する際に尾行し、自宅を特定。女性の住所・勤務先・本名などを相談者に共有してミッションを完了した(当然だが、尾行はバレていない)。

 このように、既存のITツールを少し使うだけで、探偵の調査は大幅に効率化できるのだ。ただ尾行や張り込みなど、従来の手法が効果を発揮することも多いので、筆者はこれらが全くのムダだとは思っていない。案件を解決する上で大切なのは、尾行や張り込みとITをうまく組み合わせるバランス感覚だと考えている。

 なお、調査を終えた後に依頼者がどうなったかは探偵が関与するところではないので、「Aさん夫婦が離婚したのか」「不倫カップルが破局したのか」といった顛末(てんまつ)までは知らない。

 この案件に限らず、「会社の顔」として表に出ている人が浮気をしていて、企業の社員紹介やインタビュー記事が画像検索に引っ掛かる例は意外とよくある。

 仕事の上では優秀なのに不倫をしてしまう人は、「会社での自分」と「プライベートの自分」をはっきり分けていて、前者を完全に「演じる」ことができるのだろう。だからこそ、表向きはカッコイイことを言いながら、裏では性欲や恋愛感情をさらけ出して堂々と不倫できるのだと思われる。

 しかし、一度でもネット上に「顔出し」してしまうと、その画像をAIによって拾い上げることが可能になる。心当たりのある方は「たった4秒」で即バレするので、くれぐれもご用心いただきたい。

 次回は、AIを活用して某社社員の不正を見抜いた事例と、筆者が自ら構築したAIによって解決した事例を紹介する。