お子さんの「国語力」が伸びないと悩んでいる親御さんが多いのではないでしょうか? そんななか、「本を読まない子でも”中学受験の国語”は全然大丈夫!」「国語はテクニック! 解き方さえ分かれば合格点は取れる!」など、心強いメッセージを届けてくれる注目の国語講師がいます。『中学受験 となりにカテキョ つきっきり国語』シリーズなどの著書があり、安浪京子先生も絶賛する教育メソッドで、子どもたちの国語力をグングン上昇させてきた金子香代子先生です。本連載では、そんな金子先生に、「中学受験の国語」について、知りたいことを聞いてみました。(構成:書籍オンライン編集部)

子どもの「読解力」をあげるために親がすべきことベスト・1Photo: Adobe Stock

「読解力」には「技術」が必要

Q. 子どもの「読解力」をあげる最もおすすめの方法はなんですか?

「読解力」をあげるためには、読解のための「技術」を身につけることが大切です。

 技術にもいろいろありますが、今回はその技術を身につけるための土台となる部分をご紹介したいと思います。

 読解の問題には、「物語文」「説明文」があります。この2つは別々のやり方があるので、それぞれお伝えしていきましょう。

物語文のポイント

 まず物語文ですが、ここでは、お子さんに3つの「声かけ」をしてください。

 物語文には、必ず誰かが登場します。なのでまず、①「誰が出てきたの?」とお子さんに聞きます。

 その次に、物語では絶対に何かが起きるので、②「何が起きたの?」と聞きます。

 そして、出来事が起きれば、登場人物の心が動きます。理由なく怒ったり、理由なく泣いたりしないですから、③「その出来事によって、どんな気持ちになっていたかな?」と最後に聞きます。

 ここで大事なのは「登場人物の気持ち」です。

「このときの太郎の気持ちを答えなさい」と問われているのに、子どもは「自分の気持ち」で答えてしまうことが多いです。

 文章のなかで太郎は悲しんでいるのに、自分が読んでいて楽しかったら「楽しい」を正解だとしてしまう。このように主観で読んでいるうちは点数はとれません。

「自分の気持ちではなく、太郎の気持ちだよ」と繰り返し教えてあげる必要があるのです。

 お子さんが物語文に取り組む際には、ぜひこのような声かけを心がけてみてください。

説明文のポイント

 次に説明文についてお伝えします。

 説明文は、必ず筆者は何かについて話をして、意見を述べています。

 ですので、「何について筆者はどんな意見を言っていたの?」と問いかけ続けると、グッと読解力があがります。

 筆者が「ゴミの分別をしなければならない」と言っていたら、正解は「ゴミの分別をしなければならない」です。

「ゴミを増やしてはいけない」とか「ゴミにしないで再利用する」といった、「筆者の意見」とは異なる「自分の意見」を答えてはいけないということですね。

「何に?」「どんな?」。これが大事です。

声かけを続けるとどうなる?

 そして、これらの声かけを繰り返すことが大事です。

 お子さんは、親御さんからしつこくこのように聞かれると、「誰が?」「何を?」のようなポイントをおさえながら読み進めるようになってきます。

 その疑問に対する答えは必ず文章に書かれています。そしてそこが「問題として聞かれるポイント」なのです。

 ですから、この疑問点をおさえながら読むという基礎技術が身につくと、必ずお子さんの読解力はあがりはじめます。

 ここから、さらなるテクニックを身につけていけば、ますます読解力はあがっていくでしょう。

 中学受験の国語は、技術が身につけば合格点をとることができます。

 そして、それは塾だけで身につくものではありません。お子さんとのコミュニケーションを通して、家庭のなかでも育むことが非常に重要なのです。