コラーゲンなどの健康イメージも

『日経MJ』の「グミ、大人女子つかむ」というタイトルの2018年2月2日付記事では、「グミで果汁などを固めるために使うゼラチンは、コラーゲンの一種。コラーゲンが美容や健康にいいというイメージから、女性の『言い訳消費』を誘っている」という解説もある。

 グミもチョコレートなどと同様に糖分を多く含むが、コラーゲンが含まれるゼラチンが入っており、カロリーが若干少なめだ。本書の独自調査によると、「スナック菓子などに比べてヘルシーで罪悪感が薄れる」(大阪府の26歳の女性)、「チョコよりも罪悪感がないし、しかも溶けないから扱いやすい」(栃木県の29歳女性)らしい。さらに、「油分が少なくヘルシーで、弾力ある食感のため満足感があり、ダイエット向き」(静岡県の27歳女性)という声もあった。

グミブームの立役者はZ世代だけじゃない!?70代女性まで「ガム派から乗り換えた」と語るワケグミがわかればヒットの法則がわかる』(プレジデント社、税込1870円)
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持ち運びやすさや子どもへの与えやすさも

 また、ガムはかみ終わりに口から吐き出すのが「所作」として美しくないと敬遠する女性も多く、口の中で溶けてなくなるグミは見た目を気にせずに済む。「弾力があるのに、ガムと違ってゴミが出ないため食べやすい」(埼玉県の39歳の女性)や「ガムに比べたらゴミを吐き出さなくてよく、“ごっくん”と飲み込めるから移動中に食べている」(山口県の43歳男性)など、ガムと比べてグミの食べやすさがうかがえる。「ちょっと何か食べたいときにちょうど良い。持ち運びやすいし、子どもにも与えやすい」(福岡県の36歳女性)や「いとこの娘は離乳食にグミを与えている」(東京都の59歳女性)といった声もあり、子育て中の母親の中には、あごの発達を期待して子どもに買い与える人もいる。

バリエーションがつけやすいグミ

 グミは成分の性質上、味、形、色、弾力などでバリエーションを設けやすい。「果汁グミ」(明治)や「ピュレグミ」(カンロ)、「コロロ」(UHA味覚糖)はジューシーな果物を食べている感覚に浸れ、子どもから大人まで万人受けする商品。硬めの食感が中心の海外商品との違いで、訪日客からも土産として人気を集める。マーケティングの世界では、女性がトレンドセッター(トレンドのけん引者)であり、女性の人気に男性が追いついていく傾向がある。女性の間での人気をきっかけに、「カンデミーナグミ」(カンロ)や「タフグミ」(カバヤ食品)のような硬さをより強調した商品が登場し、男性の間にもグミ愛好者が増えていった。