知性と信頼を兼ね備えた「頭のいい人」には必ず、人の話を聞く力、傾聴力が突出していました。
そう話すのは、2023年と2024年上半期のベストセラーランキングビジネス書部門で1位(日販/トーハン調べ)になり「この本に出会えなかった世界線を想像するとゾッとする」などと話題沸騰中の『頭のいい人が話す前に考えていること』の著者である安達氏。本記事は、簡単そうで難しい「人の話をちゃんと聞く」方法について解説する。(構成/淡路勇介)

頭のいい人が話す前に考えていることPhoto: Adobe Stock

うなずいて聞いただけでは、聞いたことにならない

人の話をちゃんと聞くことの大切さを認識している人は多いでしょう。

「傾聴力」という言葉を知っている人も少なくありません。

では「傾聴」とはなんでしょう?

中には、「相づちを打つ」「相手の言ったこと繰り返す」というようなテクニックを駆使して聞くことが「傾聴」だと勘違いしている人もいます。

しかし、これはあくまでも聞いているフリをしているだけで、傾聴力があるとは、全く言えません。

自分が言いたいことを考えながら聞いていないか

中には、相手が話している途中で話をまとめようとする人もいます。

これも、相手の話を聞く姿勢は見えますし、一見頭がよさそうに見えますが、

まずコンサルタントになって最初に言われたのが「相手の言っていることをまとめようとするな」でした。

まとめようとすると、自分が何話すかを考えながら聞くことになり、主観的なバイアスがかかってしまい、結果的に、相手の話をちゃんと聞くことができなくなるのです。

この「相手の話を、自分が何を話そうか考えながら聞く」

というのは多くの人がやってしまいがちなことです。

では、傾聴とはどういうことか。

知性と信頼を兼ね備えた「頭のいい人」はののように聞いているのか。

私がコンサルタントとして数多の経営者やビジネスパーソンと対峙してわかったのは、

「傾聴」=相手の話を理解すること

ということです。

ひたすらに、自分は相手の話をちゃんと理解しているだろうか、理解したつもりになっていないだろうかと、

自分が言いたいことは脇に置き、相手の話を聞くことに100%

その特徴とは……