近年、日本には不動産バブルが到来し、住宅購入は大きな注目を集めている。しかし、そんな最中マイナス金利の解除が決定し、そろそろ家を買おうかと考えていたものの、不安を感じる人も多いのではないだろうか。そんな住宅購入を不安に感じる人の悩みを解決するために『住宅購入の思考法』が発刊された。本記事では発刊を記念して、本文の一部を抜粋、再編集してお届けする。
「納得して家が選べる人」と「家選びで後悔する人」の決定的な差
家を買おうと思ったとき、「まずは不動産屋に行ってみるか」と考える人は多いのではないでしょうか。たしかに、情報収集は大事ですから、不動産会社で話を聞くというのは間違いではありません。
しかし、家探しの最初に不動産会社に行くというのは、実は得策ではありません。なぜなら、右も左もわからない状態で、不動産会社に行っても膨大な量の物件を紹介されるだけになってしまい、内見の回数はこなすけれど決まらないという状況に陥ってしまいます。
これは、皆さんのなかに明確な軸が決まっていないから起こる現象です。どんなに情報が揃っていても、自分にあった家の選び方を知らなければ時間を浪費してしまうだけです。最悪の場合、「なんとなくいいから」という理由で家を買ってしまい、あとになって後悔してしまうことになりかねません。
こういったケースは少なくありませんので、今回は自分にあった家を選ぶための手順を見ていきましょう。
ステップ1:住む年数と購入コンセプト設定
なぜ今回家を買うのか、そして買ったとしたら最低でも何年くらい住む予定か、もしくはずっと住むのか、明確な目標を持っておきましょう。
「いや、いちいち考えなくても……」と思いつつ、実はこの部分がふわっとしていると、最後の最後で購入に踏み切れなくなってしまうことが多々あります。もちろんこの年数は検討が進むにつれて変化することがありますが、それでも問題ありません。「少なくとも◯年は住む」という形でいいので年数を決めましょう。
子どもが小学生になるまでは住む、いつか結婚するまではここに住むなど抽象的な期限でも大丈夫です。もちろん「一生住むんだ」でもいいでしょう。購入コンセプトについては「なぜ家がほしいのか」、その明確な理由を自分のなかで、
もしくはパートナーと話し合って固めましょう。
コンセプトが決まっていると、不動産営業やエージェントは皆さんの要望にあった家を探しやすくなるうえ、皆さんの本気度も伝わり、自然と顧客としての優先度も上がってきます。