中年男性に特有?
「必死さが漂う美容」

 一方、メンズ日傘の携帯を試みる中年男性たちもいる。

 日傘は美容に関連するグッズだが、使用の際、女性や若い男性が「美しく・カッコよくありたい」と願うのに対して、中年男性の場合はもっと切迫した「美容」が動機となりうる。

 自称“清潔感”に定評があるアラフィフ男性の話である。

「中年以降は、よく言われるように清潔感が重要。周りに不快感を与えず、よくすれば好感を持ってもらうことができる。

 日頃“美容に気を使っている”という姿勢をある程度周りに見せておくのも手。美容面で何かミスをしていても『あの人は日頃努力をしているし』と大目に見てもらえる可能性が高くなる。

 そのやり方も、人前で脇にスプレーを振るような下品なやり方はダメで、スマートでなくてはいけない。その意味で、『メンズ日傘を携えている』は理想的で、控えめな美容アピールとなる。汗を少し抑制するだけでも体臭予防となる。今年からはメンズ日傘を持って我が清潔感を盤石なものとする所存」(50代男性)

 また、AGA、いわゆる男性ホルモンが関係して起こる男性型脱毛症を過度に心配しているある男性も、「今年から日傘の波に乗る」としている。

「メンズ日傘関連の記事で、紫外線が薄毛を促進する可能性があるらしい(※筆者注:諸説あり)と知った。もう以前のようにノーガードで頭を紫外線にさらしたくない。すぐにでも日傘がほしい」

 美容アピールの男性、AGAが心配な男性、ともに美容目的のメンズ日傘利用だが、中年なりの必死さが伝わってくる。