おじさんの「メンズ日傘」に賛否両論、猛暑で汗だくでも我慢する否定派の言い分が“昭和時代”すぎた日傘は女性が使うもの。そんな価値観は過去のものになりつつある(写真はイメージです) Photo:PIXTA

ここ数年、夏が近づくたびに話題になる「メンズ日傘」。日傘の下では体感温度が5度違うとも言われ、紫外線を避ける意味からも推奨されるものの、年長者ほど「女性が使うもの」という意識が強いのも事実である。今年こそメンズ日傘は市民権を得るのか。中年男性の本音に迫る。(フリーライター 武藤弘樹)

徐々に浸透が進む「メンズ日傘」
いつの間にか肯定派が9割に

 これまではなんとなく女性的な持ち物だと認識されてきた日傘だったが、最近は男性向けの「メンズ日傘」なるものが登場して、これに対する社会的関心が年々増してきているようである。

 メンズリゼが10~40代の男性を対象に行った2024年のアンケートによれば、「男性の日傘を使用」について「肯定的」と答えた人がなんと92.2%にのぼった。

 また、同じアンケートでは「肯定的」が2022年は79.7%、2023年は83.0%で、ここ数年でも増加傾向にあるのがわかる。他に「すでに日傘を利用している人」や「日傘の利用を前向きに検討している人」の割合についても同様の傾向となった。メンズ日傘が世の中の男性に受け入れられつつある様子が見て取れる。

【参考】
PR TIMES 「メンズ日傘」男性9割以上 “肯定的” 2年で12.5%増 医療法人社団風林会 リゼクリニック
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000095.000020081.html

 なお、「使用してみたい」が7.5%、「前向きに検討中」が56.0%、そして「すでに使用している」は13.5%、「使用しない」は23.0%である。実際に使用している人の割合は多くなく、また一定数の男性が、他人の日傘の利用には肯定的でありながらも自分では「使用しない」と回答している点にも注目したい。

 さて、本稿ではメンズ日傘への男性の思いを分析しつつ、世代の中でもとりわけ同アイテムに抵抗を覚えそうな中年男性以降の本音を紹介していきたい。