メンズ日傘を受け入れる層は?
もう「男らしさ」にこだわる必要なし

 さて、「メンズ日傘」なる語を飲み下しがたい筆者であったが、メンズ日傘を調べていくうちにやや考えが変わった。先のアンケートになぞらえるなら、使用を決定してもいないがメンズ日傘を拒絶するつもりもないので、56%が回答した「前向きに検討中」に、今は筆者も属している。

 その理由としては、まず上記の美容男性2人が挙げた「汗の抑制」と「紫外線から頭をガード」といったメリットが望ましく思えたからである。

 それに加えて、先のアンケートなどを見て結構な割合の男性がメンズ日傘に乗り気だということがわかり、「じゃあ自分もそこに加わっていいかも」という安心感が背中を押す。しかし依然として「やっぱり日傘は男性向けのアイテムじゃないんじゃ……」という戸惑いもあった。

 そこで、たわむれに「メンズ日傘」で検索してみれば結構色々なデザインが出てきて、なぜかただの傘なのに男性的でカッコよく見えるデザインがあったりして、これなら「雄々しさ」や「男らしさ」に妙にこだわる筆者のごとき人間でも、ちょっと持ってみたいかもという気にさせられたのである。

 メンズ日傘についてはまだ認知が進んでいなかったり、認知度の低さに起因する抵抗感によって敬遠されてきたりはしたが、筆者やAGAを心配する既出の男性のように、メンズ日傘を知ることでメンズ日傘を受容する層も出てきている。メンズ日傘は「日傘=女性」の既存イメージとバチバチに対立するかと思いきや、思いのほかすんなり認知が進んでいきそうな気配である。

「今年はメンズ日傘が定番化するのでは」といった強気な見通しもあり、筆者はそこまで言い切る気はないが、昨年よりは街中で多く見かけそうな予感はある。まずは今年の夏の暑さ次第であろうか。成り行きを見守りたい。