この1万時間という数字には、根拠があるような気がします。
なぜなら、世界各国で義務教育の時間として割り当てているのが、1万時間だからです。
日本も中学3年生までの義務教育で約1万時間学んでいます。日本人としての基礎を教え込むのに1万時間を費やしているわけです。
私の経験を振り返ると、リクルートに入社してからの5年間、約1万時間で「営業」と「プレゼンテーション(プレゼン)」の練習をひたすら積みました。入社前から営業の仕事を希望したわけではありませんが、マスターレベルにはなれました。
その後も、平の営業マンから課長、次長、部長、東京営業統括部長までやったので、営業分野ではプロになれたかなと思います。
また、27歳から37歳までリクルートでマネジメントをやったので、マネジメント分野でも1万時間を投入したことでマスターレベルになれました。
ですからやるべきは、自分がプロになりたい領域に集中投下して、1万時間の練習をすること。
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藤原和博 著
もし、すでに8~10年間経験しているスキルがあれば、それは1万時間の練習量を超えていますから、あなたは気づかずに、すでにプロの領域に入っています。ならば、もう1つのプロレベルのスキルを1万時間の練習で手に入れましょう。「スキルの掛け算」こそ、希少性やレアカードを手に入れる方法だからです。
まだ1万時間の練習を積んでいないという人は、早くその領域を定めましょう。
今の仕事でプロを目指すのも1つの方法ですし、別のスキル領域でもう1つのプロレベルを目指す手もあります。自分なりにポジショニングして1万時間で手に入れるのです。
何歳からでもスタート可能です。早く始めたほうが、あるいは1日に取り組む時間を大きくしたほうが、1万時間の達成が早くなることは言うまでもありません。