面接の質問を工夫する「前職での人間関係で、
不平・不満に思ったことはありませんか?」

 貴社入社後に、こうした不平・不満が溜まりに溜まって爆発する、もしくは独り耐え忍ぶとなると、問題行動に発展する危険性があります。

 とはいえ、ここも直球ですから、「いえ、特にありません。皆と仲良くやっていました」と模範回答をされるのがオチでしょう。

 この手の質問は、本音や真実を聞き出して、その情報を元に自社に合うかどうかを判断するのが目的です。

 したがって、話しやすいようにリードするのが効果的です。たとえば、
「職場に必ずムカつく人、いますよね? 実は私も前職でこういった人がいて……」と、前置きした上で、この質問をするのです。「確かに、いたな」と共感しますから、模範回答ではなく本音を話してくれる可能性が高くなります。

○不平・不満度を測って、自社との適合度合いを見る

 ここまでリードしても、「いえ、思ったことはないです」と答えるなら、「ほんの少しも、ですか?」と追及してみましょう。それでも「ない」の一点張りなら、さすがに疑わしいと見るべきでしょう。

 一方、たとえば、
「上司が細かい人で、結果はしっかり出していたのに、いちいち報告を求められまして。報告が仕事ではないはずで、その点、上司には不満でした」
と、回答したとしましょう。ここも深掘りして、本人の成績が大して良くなかったなら、上司は本人のためにマイクロマネジメントを始めたのかもしれません。そうした「盛り」「他責」が目立つようなら、不採用要因となるでしょう。

 また「若手だからと、先輩達からこうした雑務をやらされた」といった不満に対しては、雑務が常識の範囲内なら、「その程度で不平・不満に感じるのか? それだと当社でも起こり得るな」となり、これも不採用要因につながっていくでしょう。